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メジャー科目教科書の選び方
メジャー科目とは、循環器消化器肝・胆・膵呼吸器神経救急内分泌・代謝アレルギー・膠原病血液感染症腎臓のことを言う。

臨床医学では、基礎医学よりも教科書が選びやすい。基礎医学では科目ごとに何冊も教科書が存在したが、メジャー科目臨床医学では全ての科目共通で、内科学成書(主に朝倉内科学)とカンタン教科書で事が足りてしまう。そのため、朝倉内科学カンタン教科書の特性を理解してしまえば、自身の方針や科目に応じてそれらを組み合わせていくだけでよくなる。私の周りの主な選び方は以下のパターンである。

  パターン 概要
1 病気がみえる単体 試験は通ればいいという人向け。授業プリントと併用すれば効果は高まる。普段授業に出ていて、ある程度知識のある人向け。
2 STEPシリーズ病気がみえる どちらも分かりやすい。カンタン教科書といえど、2冊をしっかり覚えれば成書一冊と同等レベルの知識量は得られるだろう。
3 朝倉内科学病気がみえる 病気がみえるを主体として、分からないところを朝倉内科学で調べる。朝倉内科学を通読するのはお勧めできない。
4 STEPシリーズ単体 病気がみえる反対派。病気がみえるは「みんなが使っている、簡単そう」という理由で避けてる人もいた。図表や模式図はあったほうが効率がいいと思うのだが、STEPは病態生理の解説にくわしいため、0から始める人には最適。
5 ハリソン内科学病気がみえる 朝倉内科学よりも詳しいハリソン内科学を調べ物に使う。通読しようとしている人もいたが・・・。
6 新・病態生理できった単体 神経学では多かったが、できったはマイノリティと化した。いい教科書だと思うのだが。
7 専門成書+病気がみえる 自分の好きな分野だけは成書で勉強するという人もいた。しかし、全科目このパターンでやっている人は見かけたことがない。

使用者が多い順に並べてみた。教授からは怒られそうだが、@のパターンが最も頻度が高い気がする。これは、「試験は通しさえすればいい」という考えの人が多いためであり、病気がみえる単体が最高の教科書パターンというわけではない。知識量が増えるのはAのパターンではないだろうか。Bは朝倉内科学が通読に向かないため、なんだかんだで病気がみえる主体になってしまい、知識量はAのパターンに負ける気がする。
割合としては、@〜Bで70%ぐらいは占めていると思う。私の大学でハリソン内科学の共同購入を募集したところ5人ぐらいしか集まらなかったので、Dのパターンまでいくと1割以下になってしまう。

教科書のパターンはどれでもいいと思うが、病気がみえるという便利な教科書があるのだから、これを活用しない手はないと思う。実際に図表に含まれる情報量は多いし、これ一冊でもかなりの知識が整理されると思う。
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