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標準病理学
標準病理学
解説

病理学の教科書としては、Robbins Basic Pathology(原書)とこの標準病理学が人気がある。総論部分は、生化学や生理学の知識も活用していて、病態生理にも詳しく書かれており、よくまとまっていて読みやすい。また、検索はロビンスよりも使いやすいため、使い勝手はこちらの方が上であるが、詳しさはロビンスの方が上。
標準シリーズというと、テキストばかりというイメージであるが、病理学はイラストも症例写真も多くあって理解しやすかった。例えば、授業ではU型アレルギーの機序が理解しずらかったが、標準病理ではイラスト付きで全アレルギー型が掲載してあったため、すんなりと理解することができた。また、リンパ球、血球の形状を1ページ丸々使ってイラストで解説して立ったので、組織の復習にもなった。症例写真は5cm×8cm程度で小さいのだが、組織の特徴さえわかればいいため、病理学を勉強する上では問題ないと感じた。ただ、図の解説が前のページに載っていたりするなどしたことがあったため、図の配置にもう少し工夫を凝らしてもいいような気もする。


Good

・各論では形態学的な視点が重視されており、分子病理的な記述という点ではRobbinsに一歩譲る。

・学ぶべき知識がしっかりと記されている。


Bad

・第1版から第2版まで5年かかっており、近年の病理学の進展のスピードを考えるともう少し短い間隔での改訂が望まれる。


標準病理学のデータ

著者 ページ数 出版社 出版日 価格
坂本 穆彦 825 医学書院 2010/07 11,550円

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